──だしはブームでは終わらない、毎日たべられる優しい味──

　ハダノ浪漫食堂は秦野駅から徒歩で6分ほどの上宿商栄会にある食堂・居酒屋である。4年前に開店し、建物の２階にはコワーキングスペース（※）もある。地域の人と人とが繋がる場所として賑わいを見せている。
　メニューは昼と夜とで変わるが、一貫して人気なのは「だし」を使った料理だ。店主の小桧山（こひやま）茂雄さんは「だしソムリエ」の資格を持ち、いりこのだしやかつお、こんぶだしなどを巧みに使い分ける。うどんであれば、３種のだしを味わえる“だしくらべ”も楽しめる。毎日食べられる優しい味であり、子供から高齢者まで様々な客層から「料理が美味しい」と嬉しい声をもらっているという。
　「だしは日本人が考えたもので、ブームでは終わらないもの」と小桧山さん。コロナ禍の影響を受け、様々な取組みを試す中で、おだしやうどんの宅配やギフトとしての全国配送なども始めた。
　生まれも育ちも秦野の小桧山さん。地域でのボランティア活動やフリーペーパー作りに関わるうちに、自分の好きな「だし」がテーマのお店を開店していたと苦笑い。進化していくお店の姿を目指し、これでいいと落ち着くことなく、常に挑戦を続けていく。

 ※コワーキングスペースとは、共同利用できるスペースのことであり、利用料を支払うことで、個人事業者がオフィスとして利用したり、テレワークに活用できる施設などを指す。

 「かながわ商店街・おみせ新聞令和2年10月号より」